佐世保独楽は喧嘩独楽

小学生の頃は冬になると学校が終わると独楽を手に近くの広場に集まった。

「いきながしょうもんしょうくらべ!」

文字でどう書くのかは知らなかったが、

とりあえず長く回っていた者が勝ちである事は分かる。

 

草地ではケンが埋まって上手く回らない、近所に昔の団地の跡か

コンクリート舗装の広場があって、そこが独楽回しの恰好の場であった。

 

最初は全員で一斉に

「いきながしょうもんしょうくらべ!」の掛け声で回し始める。

この時は全員下投げで回す。

回転が弱くなり始めると、「助けよま」をする。

「よま」とは独楽を回す紐のこと。

よまを使って「ケン」のところに絡めて回転を促すのだ。

上手い者はこれで随分長い時間回転を続けることができる。

 

同時に止まった場合は「つい」と言い

独楽を拾って先に回したものが勝ちである。

「つい」は緊張の一瞬である。

 

初回で順位が決まると次からは負けたものから順に回し始める

後に回すものはこれを狙って上から、横から投げ独楽でぶつける。

ぶつけられると飛ばされたり、まともに当たって酷いときは割られたりする。

だから一度負けるとなかなか勝てなくなる。

非常に酷な試合である。

 

尖ったケンを相手の独楽にぶつけて深い傷をつける

相手の独楽のカラフルな部分にぶつけると、

自分の独楽のケンに相手の独楽の傷の部分の色が付着する

これが喧嘩独楽の醍醐味で、色が付いたケンを自慢する。

乱暴な遊びだ

 

先日の「名切SDGs Festival」に出展し

佐世保独楽体験教室を実施した。

 

果たして最近の子ども達は佐世保独楽に興味を示すのか疑問であったが、

なんのなんの、やってみると現代の子ども達も嬉しそうに

ボクが!私が!と次々に集まって来て回したがった。

なかなか回せなくても何度もチャレンジして、よまを巻いては独楽を投げる。

それだけでも楽しい

 

ふと投げた独楽が回った

「回った!回った回った!!」

気持ちの良さそうな、めいっぱいの明るい笑顔の子。

心配そうに見ておられたお母さん、お父さんも笑顔に、

横で教えているこちらまで嬉しくなるめいっぱいの笑顔。

いつの時代も子どもは変わらぬものだと思う。

 

これも一つのSDGs

 

ちなみに「でばた」で佐世保独楽取り扱っております。

でばたの佐世保独楽は8代目「今村ロクロ工芸」さんの作です。

 

とても綺麗でバランスが良く、良く回ります。